2010年2月21日日曜日

プチプチつーりんぐ

北国東広島はまだ冬。今朝なんて-3℃。それでも今日は快晴。お昼くらいには気温も上がってきました。町内会の懇親会も12時半には終わり、班長さんとしてのお役目も終わったので、それこそ半年ぶりくらいにバイクを納屋から引き出します。

あまりに久しぶりで、気の乗らなさそうな妻ですが、「バイクは若さ維持の秘訣だよ」とかなんとかいって無理やりツーリング開始。行先は----久しぶりだからプチプチツーリングにして、まあとりあえず海に行こう、ってな感じ。

そうなると、お決まりのコースは、我が家から蚊無峠を越え、安芸津から10分で着いちゃう大芝島。瀬戸内海としては珍しく無料の橋を渡り、島めぐり気分にひたれます。
この島は朝市と柑橘類栽培が有名です。島の南側からは、穏やかな瀬戸内海に浮かぶ小芝島が望めます。かわいいハート形。ありゃ、さくら(モモ?)咲いてる!
記念撮影の後は本州にもどり(って、この本州という言葉をいちいち実感できるのが瀬戸内海生活の素晴らしいところです)、安芸津に戻る途中の農協直売所に寄ります。ここは午後3時に閉まるから、実はあまり来たことない。うわ、かんきつかんきつかんきつ!
「ばんぺいゆ」買うし----。ライダーが買うかんきつじゃない!タマゴもさあ-----。しかしこの卵、純国産鶏から採れた卵なのです!買うべし(一般的な卵用の親鳥はみな外国産)
その手前は竹で編んだ小さなかご;200円。作るのにぜったいに1時間はかかるよなあ。時給200円でいいんですか?くらいに申し訳ない安さ。
他に、定番の手作り奈良漬け、ほうれんそう(スーパーでの1把の1.5倍量で¥100)を購入。
安芸津から竹原に向かいます。って言ったって、たった10km。竹原の町並み保存地区はお雛様祭りの真っ最中。どのおうちにも年代物のお雛様たちがお目見えしています。
隣で竹細工品を販売していたので、竹のお箸を購入。余計なことを妻が訊く;「これはここで作ったんですか?」 600円という値段、きっと中国製だろうに困る質問を…と思っていたら、「竹は九州のものですがこちらで加工した物です。純国産ですので、安心してお使いください」とのこと。すばらしい。
私も目的はお酒-----竹鶴酒造です。ニッカウィスキー創業者竹鶴さんの生家。創業享保18年。

杉玉はちょっと茶けていますが、ところどころ緑色の杉の葉がのぞきます。酒飲みには嬉しい新酒の時期。


竹鶴さんのお酒は、ほとんどが広島産の酒造好適米を使い、活性炭ろ過などしない昔ながらの山吹色のお酒。

私のお目当ては、実は新酒ではなくて熟成酒です。この本店の直売所にも並んでいないのだけれど、「あのお、12年お願いします」というと奥からこっそりと持ってきてくれます。これは平成12年酒造。ということは10年寝かせた古酒なのです。買う時に「色が付いていますし、ひね香も強いですがよろしいですか?」と必ず聞かれる。その強い色と香りが楽しみなのだから、こちらとしては「?」という質問なのですが、どうも日本酒=新酒という図式の人からは、「こんなヒネた酒が飲めるか!」というクレームが来るらしい。私としては、普通の日本酒のうまい、まずい、高い、安い、などは、はっきり言って全くわからず。逆に醸造用アルコールと糖類を入れまくった酒がおいしく感じちゃう。でもこの12年の強く豊饒な香りは誰でもわかると思う。ついでのこの時期しか楽しめない「にごり酒」も買っちゃう。にごり酒にありがちな「ドーン」という重みではなく、乳酸発酵の軽やかな口当たり。でも竹鶴のお酒の香りがする(この独特の香りは私にもわかる)。


お酒買っちゃうともう帰りたくなってしまう。えと、全行程は69km。ツーリングと言って良いかはばかられるほどのプチプチツーリング。でも庭先範囲にこんな豊かな景色と文化が広がる東広島に感謝。