ということで、8月10日から二日間の日程でツーリングに行ってきました。行先は鳥取。妻も私も唯一行ったことが無い県(それと宮崎もまだだ)。太平洋岸に台風9号が接近する中、雨雲の情報とにらめっこの末、山陰に出れば大丈夫とルートを組み立てます。

車がいないから、のんびり景色を楽しみながら走ります。だから中国道って好きです。100 kmほど走って、落合インターで高速を降ります。
おお、雨も上がりました。コンビニでカッパを脱ぎ、R313→R482で北上。津山街道の道の駅「楽市楽座」で小休憩。妻が熱心に何かを見ている。バナナプラントという愛称の水中植物。根っこがバナナのように肥大していることからのネーミングだそう。ツーリングもこれからというのに、「生物」を買ってしまう妻。
おお、雨も上がりました。コンビニでカッパを脱ぎ、R313→R482で北上。津山街道の道の駅「楽市楽座」で小休憩。妻が熱心に何かを見ている。バナナプラントという愛称の水中植物。根っこがバナナのように肥大していることからのネーミングだそう。ツーリングもこれからというのに、「生物」を買ってしまう妻。

その後、県道21号に折れ、今回のメインである三朝三徳山に向かいます。
我が家はツーリングにあたって、NHKテキストである「男の食彩」のバックナンバーから、該当する地域の食文化(という大げさなものではなく、行ってみたい・食べてみたいお店・料理)をリサーチしていきます。三朝町の三徳山三佛寺(三ばっかり)には、かの有名な国宝「投入堂」があり、そのふもとには「三徳豆腐」をふるまうお店が数件あるらしいのです。また、テキストには「---呉を薪で煮て、裏山の湧水を使い---木綿豆腐のぼそぼそ感がなく、しっとりとした粘りがある----生姜ではなくわさび漬けで食べる」とある!おいしそう!
ということで石の鳥居をくぐります(この鳥居、何気に400年前のものらしい!そんなものの下に県道を通すとは!)
参拝もする前から目的の「天狗屋」へ。お昼時になれば混むのでしょうが、11時では我々だけ。妻は山菜煮しめ定食を頼む。むかごごはんがおいしそう。それにほら!これが三徳豆腐+わさび漬けですよ!うん、テキスト通り、やっぱりおいしかった。
ということで石の鳥居をくぐります(この鳥居、何気に400年前のものらしい!そんなものの下に県道を通すとは!)

お腹も満ちたし、どれ、参拝でもしますかね、ということで三佛寺の石段を上がります。
さあ、投入堂でも----って、そんな軽く行けるところではないらしい!道なき道を往復2時間、入山者名簿に名前を書いて行くくらいの「修行」らしい。ああ、途中ですれ違った人々が泥だらけだったのはこういう理由なのね----お寺の方に「全部踏破しなくても、途中で投入堂は見えますか?」と聞くと、「ほんならみんなそこで帰ってきてしまって、修行にならないだら」とか言われる。ごもっとも。妻の即断「行くのヤダ」に救われて、今回は見送り。今度は登山靴もって、車で来よう。
まあ、三徳豆腐食べたし、目的は達したということで、県道21号を北上します。ありゃ、投入堂みえるじゃん。
ついに、日本海にそって走るR9に入ります。道の駅「神話の里しろうさぎ」で休憩。海水浴客がたくさんいる。水着ではしゃぐ若人たちを見、そして駐輪場のバイクたちを見ていると、しかしライダーって、このくそ暑い時期に、よくこんな暑い乗り物乗っているわ---とわが同胞たちのへそ曲がりぶりにちょっとうれしくなったりする。妻と「因幡の白ウサギ」神話が何かの教訓であるのか、について議論。妻は「困った時はきっと誰かが助けてくれる、じゃない?」との解釈。

※「六根清浄」と書かれた輪袈裟を着けて、サンダルなどの軽装で来てしまった人はワラジに履き替えての『修行』なんですもん。バイクの装備では無理!
まあ、三徳豆腐食べたし、目的は達したということで、県道21号を北上します。ありゃ、投入堂みえるじゃん。

さあ!暑さで頭がふらふらしてきましたが、次は「砂丘」です。例によって観光地否定が入り、あまり行く気がしないが、鳥取に来て砂丘を見なかったら、広島にきて宮島に行かないようなものだろうから(別にいいかな?)、とりあえず駐車場にバイクを止め、リフトで砂丘に降りていきます。
一番大きい砂丘はたくさん人がいたのですが、我々はその横の、誰もいない丘を目指します。 おお、砂丘って結構高い丘なのね。
人のいない丘をてくてくざくざく。青い空と海、そこに浮かぶ鯨型の島がきれい。いや~鳥取砂丘って素晴らしい!
リフトでまた駐車場まで戻り、土産物屋で名物のらっきょうを購入。県道155号で浦富海岸沿いを走ります。日本海の荒波と風雪が彫りあげた奇岩地帯。三陸海岸を思い出させます。海の濁りが昨日までの豪雨を物語りますが、いまはカラッと青い空。
それにしても鳥取ってきれいな砂浜が豊富です。海水浴には最高ですね。東浜から県道で南下すれば今晩の宿の岩井温泉。でも、なんか走り足りないということで、さらに日本海沿岸を東進します。いつのまにやら兵庫県。浜坂で南下を開始、R9で鳥取に引き返します。
お宿は老舗旅籠の「花屋」さん。また雨がぽつぽつ降ってきたので、ご主人の計らいでバイクを納屋に入れさせてもらう。うわ、ここって昔の馬小屋!馬小屋に休む鉄馬たち!
汗と雨でぐちょぶちょなので、さっそくお風呂に入ります。ここは別名「ゆかむり温泉」。手拭いを頭にかぶり、柄杓でお湯を頭からかける風習があるようですが、まあ、普通に入ります。泉質は硫酸ナトリウム塩泉、pHは中性なのに結構ぬるぬるします。飲むとおいしい。ここの露天風呂は最高でした。
とは言っても、我々はカラスの行水なので、夕食までの間ビールを飲みながら温泉街の散策。カラコロカラコロ。
お風呂も、お料理も、お庭も堪能しました。やっぱり関西の温泉宿って、古いけど格式あるんだなぁ。東北はむしろ温泉がもうちょっと民衆寄りに発達してきたような気がする。古い旅館はほとんど湯治場だったし。
カッパの内側も汗でびしょびしょ。雨の中傘をさして次のルート相談です。目的地は日本三景の「天橋立」に設定。まあ、超有名観光地だからそれほど行きたいわけではないですが「ここまで来たんだからついでに行こう」ということにしました(うーん、三景なのに、なんて後ろ向きの姿勢なんだ)。R178→ R312と単調なルートで到着。
これで一応、松島・宮島・天橋立と、三景をすべて制覇したことだし、もう広島に帰りましょう。R176で南下。R9で西進します。途中一級河川由良川の氾濫のあとを目の当たりにします。水田の稲もだいぶ倒れてしまっています。




あー、やっぱり素直に宿へ向かえばよかった-----R9の蒲生峠のトンネルを抜けたとたん----バケツをひっくり返したような雨!宿まであと5 kmなのに!
ようやく岩井温泉に到着。ここは1300年の歴史を持つ山陰最古のいで湯だそう。結局雨は一瞬でしたが(この写真ではすでに雨上がり)、びちょびちょ。




さあ、二日目。雨。トーンが下がります。でも昨日は鳥取・兵庫のすぐ近くの山間部で、豪雨による河川の氾濫・死者も出たらしい。ツーリングなんかしてて申し訳ない気持ち。雨次第だろうということで、ルートもろくに決めないで、とりあえず余部鉄橋を見に行くことにします。
県道260号で日本海沿いを進みます。但馬御火浦という断崖絶壁の道、っていうか、霧がひどくて景色も何もないし、道もよくわからん!漁村で繰り返すUターン。妻が無線で「もうやだ!」を連呼する。やっと本線に戻ったと思ったら「土砂崩れで通行止め」。しょうがない国道に戻ろう。
R178で難なく余部鉄橋へ。日本最大の鉄道高架鉄橋も架け替え工事の真っ最中。せっかっくだからということでバイクを駐車場に停め、JR余部駅を見に行くことにします。余部駅を指す矢印は、村の急峻な裏山につながる登山道と思しき道を指します。ええ!やっぱりそうなの?この鉄橋に駅がつながっているということは、駅は山の上にあるということでは?と、うすうす気がついていましたが、やはり登るの?車じゃいけないの?余部の人たちすごい。JR通勤する際は毎日登山も伴うのですね。気の進まない妻を無理やり連れて「登山道」を登り、駅に到着。駅から見ると橋脚工事が大規模であることがよくわかります。工事関係者の皆様もえっちらおっちら登山されておられました。架け替え前に鉄橋を見ることができてよかったです。


まあ、一応砂嘴を歩きます。松林がきれいでした。しかし、これって歩いたからと言って特に「三景!」と感じられるものではないですね。遠くから股のぞきしないとだめなのでしょう。なぜか三景なのに海水浴客も多くてぐったり。それとも「三景で泳いできたぜ」と自慢するのかなあ。海水浴なら鳥取に行った方がいいと思うけどなあ。
半裸で(海水浴だからあたりまえだけど)浮かれ騒ぐ若者の群れを横目に日本三景の松林を歩きながら、「今まで見た中で一番きれいな景色って何だった?」との会話に、しばし真剣に考えます。いろいろと思い出しても考えは定まらず、二人で話もせず黙々と歩く様子にすれ違う人々は『仲悪そう―』と思ったに違いない。遂に夫は岩手と秋田県境にある大森峠の紅葉を挙げました。私はいまだに悩み考え続けているけれど、きっと北海道でも九州でもなく、私もやはり東北のような気がする。

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