2008年9月12日金曜日

おおぼけこぼけ

海外出張の代休消化と、疲労回復を兼ねて金曜日に休みを取りました。妻もがんばってお休みを取ってくれました。海外から帰ってくると日本の良さが良くわかります。それを再確認するために四国の田舎にツーリング。例によって竹原からフェリーに乗ります。我が家からフェリー港まで30分、竹原⇔波方(今治)は70分。もうお得意様です。

ちょっと寝坊したため、9時出航の便に乗ります。いつにも増してガラガラ。


おお、いつもは閉まっている船内食堂がやっている!ここで、きつねうどんの朝食。うん、コシも何も無い麺ですが、この方が正しい船内食堂のうどんと言う感じがします。だしはおいしい。いつものように、なんとなくしか目的地を設定していないので、船内でルートの相談。

今治から高松自動車道に乗り、徳島自動車道の井川池田インターからおります。最近頓に有名になってきた大歩危・小歩危・祖谷に向かうのです。ずいぶん前から行って見たかったのですが、休日は大変混雑すると言うことで躊躇していたのです。でも今日は平日。インターからすぐに国道32号線に入り、渓谷沿いの道を走りますが、トラックが多い---平日ですからね---。30分も走らない内に小歩危に到着。とは言っても、なんだか我々が普段のツーリングで見てきた渓谷と変わらない(こういうところばかり行っているからなぁ)。でも水はとてもきれいで、奇岩が連なる風景はやはりダイナミック。小歩危に続いて大歩危。小股で歩むと危ない小歩危と、大またで歩むと危ない大歩危の差がよくわからない---まあいいや。お昼ごはんっと。大歩危のアウドドア観光拠点(どうやらラフティングが盛んらしい)に併設された古民家風のお蕎麦屋さん。おお、わが一族と同じ「丸にアゲハ」の紋ではないですか。天井も立派な古民家。ここで名物の祖谷蕎麦なるものを注文します。
お品書きには「祖谷蕎麦はつなぎを使わない蕎麦なので、多少ぼそぼそしていますが、蕎麦本来の甘みをご堪能ください」とある。むふふ、楽しみ。----なぜか数分で出てくる。早くない?妻が食して一言「どんべいみたい---」。カップめんの食感-----やはり注文後に茹でて欲しいなぁ。まあ蕎麦の香りは良い。きっと昔の作り方をそのままに今も受け継いでいるのでしょう。麺の長さもみな5cmくらいと、大変おもしろいお蕎麦でした。


でも、同時に注文した「岩豆腐」は秀悦。箸でつかんで、がぶっといける。これはおいしい。 岩豆腐に救われて、それなりに満足なお昼ご飯でした。ここからは県道32号で祖谷峡に向かいます。結局、大歩危・小歩危はあまり印象に残らず。祖谷峡に向かう道は狭く、断崖絶壁上。

眼下には深い深い峡谷が続きます。うん、ここはすごい。-----でも休日は渋滞するそう。だって、この道、自動車のすれ違いは困難です。 祖谷峡の深い渓谷美を堪能し、ついにあの有名な「かずら橋」に到着。平家の終焉の地に架けられたこの橋は、万が一の時に素早く切断できるようにと作られたのだそう。

-----ただ、この峡谷に架けられた素朴で歴史のあるかずら橋の周りには----ギガオミヤゲコンプレックス、ギガ駐車場、ギガバスの群れ、そして大音量の演歌!!下の写真は手前の橋から撮っていますが、ここはギガグループ観光客の集合写真撮影ポイントでした。

一人500円払って渡る。編んだかずらの中にはワイヤーが見える。休日にはきっと一度に何十人も渡るのでしょうから、安全対策上しょうがないのでしょうか。なら、渡らせず見せるだけでもいいと思うけどな。一方、床面は観光客に迎合せず隙間の開いた木っ端。皆さん、この隙間に足を突っ込まないように真剣に渡る。妻もなぜか手すりにつかまりながら慎重に渡っている。私はすたすたリズミカルに渡って、500円損した気分。みんなおっかなびっくり、手すりにつかまってソロソロと慎重に歩いて行くので、橋の真ん中はスペースが空いています。そこを夫はすたすたと歩いて行ってしまったのでした。もちろんこの橋は一方通行、後戻り不可。

まえにNHK特集で、祖谷の人々が山のかずらを大切にし、未だに残る村の「結(ゆい)」の精神で一位団結して、かずら橋を維持・修復するドキュメンタリーを見ました。その頃から、いつかはかずら橋を訪れたい思っていましたが、あまりに観光地化しすぎていて、ちょっと残念でした。焦燥感とともに山を降ります。しかし山の中腹を見ると、あんな急峻な山肌に民家や畑地が点在しています。平地が無いからやむを得ずのことなのでしょうが、ちょっと他では見ない村の風景です。おそらくこのような村々がこの付近には点在し、それぞれが独自の生活形態を維持し、それが集まって祖谷峡の文化を形成してきたのでしょう。過酷な地形と自然の中で少数の村人が生きていくには結の精神も欠かせないはずです。この山肌の村々に生きる人たちの一つの表現が、あのかずら橋だとすれば、やはり敬意を払うべきでしょうね。

ストッープ!!すごい吊橋発見。かずら橋の仇をとらんばかりに、この吊橋に向かいます。すごい!川からの高さは----お約束の唾落としをすると、10秒くらいかかって川に到着するくらい高い!観光用じゃない!下の写真を見ると中央部に寝ている人が-----妻です。
あはは、歩き出した。吊橋って、谷向うにある本当に小さな村(たまに一つの家)を結ぶために作られた、虚勢を張らない最小限の橋。なんか日本人の優しさと素朴さの原点のような気がする。 よし、次は剣山ドライブウェイだ!-----って、ものすごく路面が悪い----ドライブウェイは言い過ぎの感が。疲れ果てて、停まってもバイクにもたれたままの妻。
悪夢のドライブウェイが終わり、下界に。貞光という町は「二重うだつ」が有名らしい。疲労困憊で通り過ぎようとしましたが、大粒の雨。そういえば通り過ぎた道すがら、うどん屋さんがあったね。そこで雨宿りしましょう。
今日3回目の麺食です。手打ちうどんで、素朴でおいしい!奥様が自家製杜仲茶や焼酎漬け梅干、ゼリー、などなど色々サービスしてくれるのがうれしい。焼き鳥も4本頼みます。本当はお寿司が有名らしいが売り切れ(巻き寿司かな?)
「この町はうだつが有名なのですね」と奥様に話しかけたら、「ウチのうだつは一番古いんよ」だって!ありゃ、雨宿りで急いでいたから気が付かなかったけど、

すごい立派な鏝細工。鯉の滝登りに、牡丹。紺壁も贅沢なつくりです。どうやら昔は庄屋さんで、築150年とのこと。 部屋の造りは何十畳という昔ながらのもの、水周りや、階段下の箪笥などそのまま使っているそうです。
雨が上がり出発しようとしたら、バイクのシートに雨よけのビニールが-----旅人には人の優しさが身にしみます。
飯田食堂の奥様、お世話になりました。夫婦ともどもお蔭様で疲れもふっとびました。またお寿司食べに来ますから。

妻は帰りのフェリーで爆沈。帰宅は午後9時過ぎ。ちょっとハードでしたが、貞永の一軒で今回のツーリングも印象深いものとなりました。

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